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 四界分別観と体の治療 ディーパンカラ・サヤレー   
(四界分別観の瞑想法については「四界分別観」http://www.geocities.jp/bodaijubunko/h/sayalay.shikai.htmを参照してください)

 いままで地水火風の12の性質について見てきましたが、覚えていますか。これらの要素について一通り観終わったら、全体を眺めます。上から部分部分について、「堅さ、荒さ、重さ、柔らかさ、滑らかさ、軽さという地の要素の六つの性質について順に観ていきます。さらに水の要素、火の要素、風の要素についても見ていきます。

 はじめは、性質をはっきり観るようにしますが、次第にす早く行うようにします。だんだん早くしていって、心が集中し、楽しい感覚になり、さ迷い出すことがなくなリ、痛みを感じなくなれば、四大要素のバランスが取れたということです。

 一つの要素だけを観ていると、バランスが取れてなくて、どこかに痛みなどが出てきたりします。火風の四つのバランスが取れていると、痛みなどはあまり関係なくなります。
そのようしてバランスが取れていると、集中力が良くなって身体が快適になり、平和な感覚になってきます、そうすると、アーナパーナ(呼吸瞑想)で見たような光が見えてきます。

 光は人によりいろいろな色をしていますが、最初はどんな色にも集中しないで、身体の中の地水火風を観るようにしてください。それをして行くと、光の色がだんだん明るく白っぽくなってきて、最終的には氷の塊のような透明になってきます。

 光(ニミッタ)がさらに輝きを増し、氷のような透明の光になリ、安定してきたら、四つの要素を見ていた心を、今度はニミッタの方に移して、ミニッタに一時間ぐらい留まるようにしてください。
そうすると近行定という禅定(ジャーナ)に近いところまで達することができます。四界分別観では第一禅定まで達することはできないのですが、その第一禅定に非常に近い近行定まで達することができます。

 そのように集中力を得たら、次に体の中の32の部分について観察します。アーナパーナ・サティをやって、第四禅定までいってから、その後に32の身体の部分を見るという瞑想をしますが、四界分別を終わってから32の部分を見るのと、アーナパーナで第四禅定まで行ってから身体の32の部分を見るのとではちょっと違います。アーナパーナの方が明確に見えて、四界分別の方は少し明瞭さが足りないのです。なぜ違うかというと、禅定(ジャーナ)のレベルが違うからで、アーナパーナで第四禅定まで達した方が禅定のレベルが高いので、より明瞭に見えてくるわけです。

 身体の32の部分の観察が終わったら、次は骸骨の観察瞑想をします。その骸骨の瞑想によって第一禅定にまで達することができます。次に骸骨は白いものですから、白いカシナの瞑想をやります。カシナというのは円盤です。この白い円盤の瞑想をすると、第四禅定まで達することができます。
四界分別から始めて行って、順を追っていけば、やはり第四禅定まで達することができます。

 禅定(ジャーナ)を得て、ヴィパッサナー(観察)をしますが、その時に四界分別観をやって、身体の物質的要素が粉々になるのを見ていきます。そのようなヴィパッサナーをしたかったら、10日間では無理なので、瞑想センターのリトリートへ来てください。

 この四界分別観は身体の治療とか病気への対症法として有効です。例えば、脳梗塞などで足が良く動かない時には、風の要素などが滞っていることがあって、うまく働きません。足が良く動かない場合には、風の要素である押す力が滞っているということなので、心をその滞っている箇所に集中し、風の要素である「押す力」念じます。ゆっくり「押す力」を念じていると、段々動きが出てくるようになります。風の要素の、押す力だけでなく火の要素である、熱も一緒にそこへ送るようにします。

 体のどこか一部が動かない場合、そこの部分は風の要素の押す力が滞っているだけではなく、そこが冷たくなり、血液や、熱が行かなくなっっていますから、瞑想して押す力と共に熱も一緒に心で送ってやるようにします。

 私達の人生は何が起こるか分からないわけです。ずっと病気にならないという保障はありません。何らかの障害が起こることはあり得ます。そういう時に自分で体を守る方法を知っていれば、自分で治療することができます。

 もう一つの例はガンの治療に有効であることです。ガンの場合は最初に、その部分に集中してよく見ます。最初にそこに心を集中するのがまず一番です。心には非常に大きな力があるので、まずそこの部分に心を集中し、その部分に熱を送るようにします。そうすると腫瘍の部分がとても柔らかくなってくる。それで、自分の中で決意をして、全てのバクテリアとか腫瘍などが尿となって流れ出るようにと決意します。そういうことを何度もやっていると、そこにエネルギーが働き、それらが外へ出て行ってしいまいます。

 あるいは、さっき言ったように熱をそこの部分に当てて集中していると、段々暑くなってきます。それでも続けているうちに、腫瘍の部分が次第に小さくなって、しまいには無くなります。その時に必要なのが集中力であって、集中力があれば、それが容易に出来るようになります。そんな風にして、自分の体を治療し、対処することが出来ます。このような経験を話しました。今度そのようなことが起こったら試してみてください(笑)。

 本日はこれからアーナパーナ・サティをします。ミニッタがどうしても見えない方とか、アーナパーナはあまりやりたくない人は、今言った四界分別観の瞑想をしても結構です。それでは、体を真っ直ぐ立てて集中してください。

  



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